長い間、Window 7でTeXstudioを使ってきた。LaTeXはW32.texだった。TeXstudioがversion4になったのに、手元のTeXstudioはver3.XXのままである。よくダウンロード・ページを見てみると、Window 7は切り捨てられていた。いろいろ完全に時代遅れになっていた。やむをえず、新しいパソコンを導入し、Window 11に転換することにした。
Window 11導入とトラブル
Window 10も11も知らないが、富士通のラップトップを導入した。型番はFMVWE2N17D。スペックだけで選んだ。メモリ32GB、 SSD 1TB。外付けにバックアップ用HDを二台付けているが、LaTeXのコンパイルはメモリが多くないと遅くなるし、メモリのスワップの時もSSDなら速いし、HDのように壊れない。
Window 10 をスタートさせて、古いマイクロソフトのアカウントでログインすると、不正行為とみなされ、ロックされた。ローカルなアカウントを作ってから、OutLookのアカウントを作り、それでマイクロソフトにログインすると、うまくいった。 これでOffice関連が使えるようになった。これで一日ほど無駄にした。
HDの大量のデータを新しいパソコンにつないだ時にHDの一つのデータが壊れ、これを復旧して、テータ移行に一日ほどかかった。ハード関連のトラブルでは、外部ディスプレイの表示がひどく汚く、設定をいろいろいじり、やっと解像度をディスプレイの推奨にすること、Window 11のディスプレイのデフォルトがHDRであったので、これを外すと非常にきれいな表示になった。
TeXLiveの導入
ベクターのサイトでLateXのインストーラーを探してもなくなっていた。検索するとTeX Wikiに行き、そしてTeX Liveに行きつく。https://www.tug.org/texlive/acquire-netinstall.html Windowならこのどれかを使ってインストールすればよい。何もしなくても全自動でうまくいく。途中のメッセージも日本語で出てくる。
TeXstudio
ダウンロードしてインストールするまでは簡単である。起動するとビックリする。もともと日本語対応していないので、エディタにShift JISであることを教えて、細かな調整をしないといけない。
エディタの設定
オプション|TeXstudioの設定と進む。フォントのコーディングをShift_JISに変えることが大事。そのほかは好みによる。
コマンドの設定
LaTeX: latex.exe -synctex=1 -interaction=nonstopmode %.tex
とする。筆者の場合はデフォルトでこうなっていた。なっていなければ直す。
DviPdf: dvipdfmx -f ptex-ipaex.map %.dvi
と手直しする。DviファイルからPDFファイルを作成する手順である。
Metapost: pmpost -interaction=nonstopmode %
とする。これも手直ししないといけない。
ビルドの設定
ビルド & 表示をDVI ->PDFチェーン
既定のコンパイラを LaTeX
既定のビューアをPDFビューア
とする。これだけで大丈夫のようだ。
という意味の分からいなエラーコードが出て、画像ファイルが重複しているとかのエラーメッセージも出て、困ってしまった。検索するといろいろなサイトが出てくる。LaTeXの処理システムは原稿の文字コードをUTF-8と解釈するが、Shift JISで書かれていると知らないようだ。文字が間違って解釈され、意味不明のメッセージも出るようだ。解決策は簡単で、原稿の最初に
\UseRawInputEncoding
ヘッダのサンプル
筆者が使いまわしているヘッダである。コメントアウトしているのは、使うかもしれないときの忘備録である。
\documentclass[12pt, a4paper]{jbook}
%\documentclass[a4j,12pt,landscape,tate]{tbook}
%\setlength{\textwidth}{40zw} %一行の文字数
%\renewcommand{\baselinestretch}{0.85} %行間隔(標準は1)
%\setlength{\textheight}{36\baselineskip} %一行間隔の場合の行数、上のコマンドと連動する。
%\setlength{\oddsidemargin}{0cm} %偶数ページのマージン
%\setlength{\evensidemargin}{0cm} %奇数ページのマージン
%\setlength{\topmargin}{-6cm} %トップマージン
%\setlength{\textwidth}{30zw} %一行の文字数
%\renewcommand{\baselinestretch}{0.85} %行間隔(標準は1)
%\setlength{\textheight}{30\baselineskip} %一行間隔の場合の行数、上のコマンドと連動するので、この場合は30/1.1=27行となる。
%\addtolength{\textheight}{\topskip} %本文領域上端から一行目の下端を本文領域に含める。
% minipage 疑似2段組み変数の初期設定
% \minitwocolumnに5cmなどの長さを指定してもよい
%\newlength{\minitwocolumn}
%\setlength{\minitwocolumn}{0.5\textwidth}
%\addtolength{\minitwocolumn}{-0.5\columnsep}
\UseRawInputEncoding %<----------TeXLiveではこれが不可欠
\usepackage[running]{lineno}
\usepackage[dvips]{graphicx}
\usepackage{dcolumn}
\usepackage{ascmac}
\usepackage{multicol}
\usepackage{amssymb}
\usepackage{epic}
\usepackage{eepic}
%\usepackage{foldbox} ---------------TeXLiveになし
\usepackage{boxedminipage}
%\usepackage{eclbkbox} ---------------TeXLiveになし
\setlength{\fboxrule}{0.2pt}
\usepackage{supertabular}
\usepackage{here}
\usepackage{url}
\usepackage{pxrubrica}
\usepackage{graphicx}
\renewcommand{\figurename}{写真}
\renewcommand{\tablename}{表}
\setcounter{secnumdepth}{0}
\setcounter{tocdepth}{2}
\renewcommand{\bibname}{引用文献}
\def\notesname{文献}
\pagestyle{plain}
%章末に脚注
%\usepackage{endnotes}
%\let\footnote=\endnote
%\renewcommand{\theendnote}{\arabic{endnote})}
%\renewcommand{\notesname}{註}
\begin{document}
\begin{titlepage}
\vfil
\begin{center}
{\Huge 屋久島縦走}
\vspace{4em}
{\Large 歩道案内と記録}
\vfil
{\Large 村上宣寛}
\end{center}
\end{titlepage}
\newpage
コンパイル・サンプル
今、執筆中の屋久島ガイドのコンパイル画面を示す。近いうちにアマゾンからKindleやPaperbackとして出版予定である。ちょっとだけ宣伝。
Window 11 でのデスクトップ
ここまで来るのに3日かかった。やっと快適な環境になった。足らないソフトは順次入れていく予定である。筆者はLaTeXの専門家ではないので、初めての人は大変かと思う。まとめておけば、何かの足しになるかもしれない。