2022年1月26日水曜日

TeXLive と TeXstudioの導入

 長い間、Window 7でTeXstudioを使ってきた。LaTeXはW32.texだった。TeXstudioがversion4になったのに、手元のTeXstudioはver3.XXのままである。よくダウンロード・ページを見てみると、Window 7は切り捨てられていた。いろいろ完全に時代遅れになっていた。やむをえず、新しいパソコンを導入し、Window 11に転換することにした。

Window 11導入とトラブル

 Window 10も11も知らないが、富士通のラップトップを導入した。型番はFMVWE2N17D。スペックだけで選んだ。メモリ32GB、 SSD 1TB。外付けにバックアップ用HDを二台付けているが、LaTeXのコンパイルはメモリが多くないと遅くなるし、メモリのスワップの時もSSDなら速いし、HDのように壊れない。

 Window 10 をスタートさせて、古いマイクロソフトのアカウントでログインすると、不正行為とみなされ、ロックされた。ローカルなアカウントを作ってから、OutLookのアカウントを作り、それでマイクロソフトにログインすると、うまくいった。 これでOffice関連が使えるようになった。これで一日ほど無駄にした。

 HDの大量のデータを新しいパソコンにつないだ時にHDの一つのデータが壊れ、これを復旧して、テータ移行に一日ほどかかった。ハード関連のトラブルでは、外部ディスプレイの表示がひどく汚く、設定をいろいろいじり、やっと解像度をディスプレイの推奨にすること、Window 11のディスプレイのデフォルトがHDRであったので、これを外すと非常にきれいな表示になった。

TeXLiveの導入

 ベクターのサイトでLateXのインストーラーを探してもなくなっていた。検索するとTeX Wikiに行き、そしてTeX Liveに行きつく。https://www.tug.org/texlive/acquire-netinstall.html Windowならこのどれかを使ってインストールすればよい。何もしなくても全自動でうまくいく。途中のメッセージも日本語で出てくる。





TeXstudio

   LaTeXのエディタとして優秀で、長い間、愛用している。バージョンアップも頻繁に行われるし、エディタに通知も来て便利である。このサイト https://www.texstudio.org/ からダウンロードする。


ダウンロードしてインストールするまでは簡単である。起動するとビックリする。もともと日本語対応していないので、エディタにShift JISであることを教えて、細かな調整をしないといけない。

エディタの設定


オプション|TeXstudioの設定と進む。フォントのコーディングをShift_JISに変えることが大事。そのほかは好みによる。




コマンドの設定

 TeXstudioの設定よりコマンドのページに行く。ここは難しくて、「TeXLiveとTeXstudioを「Windows上で動作させるまでの手順」https://sekky0816.hatenablog.com/entry/2019/07/10/205423 に従った。

LaTeX: latex.exe -synctex=1 -interaction=nonstopmode %.tex
とする。筆者の場合はデフォルトでこうなっていた。なっていなければ直す。

DviPdf: dvipdfmx -f ptex-ipaex.map %.dvi
と手直しする。DviファイルからPDFファイルを作成する手順である。

Metapost: pmpost -interaction=nonstopmode %
とする。これも手直ししないといけない。

ビルドの設定

 ビルド & 表示をDVI ->PDFチェーン
 既定のコンパイラを LaTeX
 既定のビューアをPDFビューア

とする。これだけで大丈夫のようだ。






Invalid UTF-8 byte “A1


という意味の分からいなエラーコードが出て、画像ファイルが重複しているとかのエラーメッセージも出て、困ってしまった。検索するといろいろなサイトが出てくる。LaTeXの処理システムは原稿の文字コードをUTF-8と解釈するが、Shift JISで書かれていると知らないようだ。文字が間違って解釈され、意味不明のメッセージも出るようだ。解決策は簡単で、原稿の最初に

\UseRawInputEncoding

と書いておくとShift JIS文書として処理してくれる。簡単すぎてわかりにくいが、このサイトがはっきり書いてある。https://programmerah.com/latex-package-inputenc-error-invalid-utf-8-byte-a1-25047/

ヘッダのサンプル

 筆者が使いまわしているヘッダである。コメントアウトしているのは、使うかもしれないときの忘備録である。


\documentclass[12pt, a4paper]{jbook}
%\documentclass[a4j,12pt,landscape,tate]{tbook}
%\setlength{\textwidth}{40zw}             %一行の文字数
%\renewcommand{\baselinestretch}{0.85}    %行間隔(標準は1)
%\setlength{\textheight}{36\baselineskip} %一行間隔の場合の行数、上のコマンドと連動する。
%\setlength{\oddsidemargin}{0cm}     %偶数ページのマージン
%\setlength{\evensidemargin}{0cm}     %奇数ページのマージン
%\setlength{\topmargin}{-6cm}       %トップマージン
%\setlength{\textwidth}{30zw}       %一行の文字数
%\renewcommand{\baselinestretch}{0.85}  %行間隔(標準は1)
%\setlength{\textheight}{30\baselineskip} %一行間隔の場合の行数、上のコマンドと連動するので、この場合は30/1.1=27行となる。
%\addtolength{\textheight}{\topskip}   %本文領域上端から一行目の下端を本文領域に含める。

% minipage 疑似2段組み変数の初期設定
% \minitwocolumnに5cmなどの長さを指定してもよい
%\newlength{\minitwocolumn}
%\setlength{\minitwocolumn}{0.5\textwidth}
%\addtolength{\minitwocolumn}{-0.5\columnsep}

\UseRawInputEncoding           %<----------TeXLiveではこれが不可欠

\usepackage[running]{lineno}
\usepackage[dvips]{graphicx}
\usepackage{dcolumn}
\usepackage{ascmac}
\usepackage{multicol}
\usepackage{amssymb}
\usepackage{epic}
\usepackage{eepic}
%\usepackage{foldbox}          ---------------TeXLiveになし
\usepackage{boxedminipage}
%\usepackage{eclbkbox}      ---------------TeXLiveになし
\setlength{\fboxrule}{0.2pt}
\usepackage{supertabular}
\usepackage{here}
\usepackage{url}
\usepackage{pxrubrica}
\usepackage{graphicx} 
\renewcommand{\figurename}{写真}
\renewcommand{\tablename}{表}
\setcounter{secnumdepth}{0}
\setcounter{tocdepth}{2}
\renewcommand{\bibname}{引用文献}
\def\notesname{文献}
\pagestyle{plain}

%章末に脚注
%\usepackage{endnotes}
%\let\footnote=\endnote
%\renewcommand{\theendnote}{\arabic{endnote})}
%\renewcommand{\notesname}{註}


\begin{document}


\begin{titlepage}
\vfil
\begin{center}
{\Huge 屋久島縦走}
\vspace{4em}
{\Large 歩道案内と記録}
\vfil
{\Large 村上宣寛}

\end{center}
\end{titlepage}
\newpage


コンパイル・サンプル


 今、執筆中の屋久島ガイドのコンパイル画面を示す。近いうちにアマゾンからKindleやPaperbackとして出版予定である。ちょっとだけ宣伝。






Window 11 でのデスクトップ


 ここまで来るのに3日かかった。やっと快適な環境になった。足らないソフトは順次入れていく予定である。筆者はLaTeXの専門家ではないので、初めての人は大変かと思う。まとめておけば、何かの足しになるかもしれない。