2019年8月7日水曜日

Long Slow Distance

ジョー・ヘンダーソン「LSD -人に優しいトレーニング」


日本語訳が無料公開された。読んだのでメモをしておく。LSDは長距離をゆっくりと走ることだが、著者は「単なるトレーニング法」ではなく、「スポーツというものの本質をどうとらえるかという問題なのだ」という。ランニングの世界ではスピード信奉が過大評価されている。「スピード・トレーニングが危険を伴うのに比べて、スタミナ重視のトレーニングは安全だし、心地よい方法」である。

「フルマラソンを1マイル5分4秒ペースで走りきったアンビー・バーフットは、普段の練習ではこれよりも1マイル2分遅いペースで走っていた」し、最高のウルトラランナーだったアーサー・ニュートンも「可能な限り頻繁に練習」し、「疲労困憊するまで走ってはならない」と著書に書いていた。スウェーデンで生み出されたファルトレック(トレイルランニングに該当)もニュートン式のゆっくりで単純な方法への回帰である。「ランニングを短期的で投機的な賭けとしてみるのではなく、長期的な視点でみることによって、ランニングは楽しく精神的な満足をもたらすものになる。」この辺りが著者の主張の中心だろう。次にLSDを実践したランナーたちのエピソード集が続く。

アンビー・バーフット(1968年ボストン・マラソン覇者) 山の中にこもって悪路を走り回っていた。彼が人の前に姿を現すのは大学の講義を受ける時と体育館のシャワーを浴びる時だけ。福岡のマラソンでは2時間14分18秒8の記録も出している。この時の練習ペースは1マイル7分と遅い。週に120~150マイルを走っていた。

ボブ・ディンズ(1969年ボストンマラソン6位) 高校生の時の初マラソンは3時間21分。大学に入り、ゆっくり走の影響を受け、練習は1マイル7分半から8分ほどで一日2時間、週末には3~4時間走った、マラソン記録は2時間25分に達した。一度、レースに出ると、次のレースでは記録が短縮される。

トム・オスラー(1965年25km, 1967年30km、米国国内選手権1位) 長めのインターバルトレーニングで故障した。それ以来の練習は一週間に70~80マイル、1マイル6分半から7分半のペース、これを「基礎トレーニング」と呼ぶ。レースの6週間前には「研ぎ澄まし」と呼び、スピード走を少し入れる。

エド・ウィンロウ(1966年25km, 30km、米国国内選手権1位)  大学でLDSのコーチングを広めた。彼の練習は1マイル7分~8分のペースで、一週間に60~70マイルだけ。それでも9マイル(15km)を1マイル5分(キロ3.1分)で走った。

ジェフ・ルート(20km 1時間11分、30km 1時間50分28秒、マラソン2時間50分36秒) 練習は1マイル7分~8分ペースで週80~112km。体重過多で長い距離は走れなかった。LSDに変えて足の故障がなくなり、減量できた。

ジョー・ヘンダーソン(ご本人、20km 1時間12分12秒、30km 1時間55分00秒、マラソン2時間49分48秒) 記録が低迷し、高望みは止めた。「苦痛のない練習でランニングの楽しさ」を取り戻し、「マラソンを走りきる耐久力を養う」ことを目標とした。「2年半のLSDトレーニングをした後では、2時間04分」と進歩した。

最後はLSDの進め方。先入観を捨てて、まずゆっくりと走ってみること。楽しくやる方がよい。LSDでトレーニングするとスピードが失われるという意見があるが、1、2度レースに出ると、スピードは戻る。LSDは走りながら普通に会話ができるペースが良い。そして継続的にトレーニングすると、ステップアップしていく。

論文というよりエッセイだが、趣旨はだいたい上記の通り。ただ、LSDでは怪我が少ないとか、トレーニング効果が大きいなどは、逸話的証拠に留まっていて、科学的な話ではない。PubMedにLong Slow DistanceとかLow-intensity trainingというキーワードを入れて、Comparative study(比較研究)にチェックマークを入れて、少しだけ調べて見た。

review article
Hydren & Cohen 2015 Current Scientific Evidence for a Polarized Cardiovascular Endurance Training Model.
 伝統的な閾値モデル(高強度・練習量大のトレーニング)は実際のレースでの効果は少なく、オーバー・トレーニングの結果、怪我をしたり、心理的に燃え尽きてしまいがちである。分極化モデルでは、「低強度」(≤13)と高強度(>=17)の二極化のトレーニングを行い、「中強度」(14-16)やレースペース(6-20)でのトレーニングはわずかな時間とする。7つの研究によると、伝統的な閾値モデル(14-16,6-20, ~55%Vo2max)と比較して、分極化トレーニングでは有酸素運動能力が増加し、効果量も大きい。分極化モデルの効果量は0.85~2.80と非常に大きいが、閾値モデルでは-0.42~2.16と効果量が大きい人もいるが、マイナスの人もいる。

review article
Laursen 2010 Training for intense exercise performance: high-intensity or high-volume training? 分極化トレーニングモデルの方がよいというreview

experimental article
Helgerud, et al. 2007 Aerobic high-intensity intervals improve VO2max more than moderate training. Vo2maxを高めるには高強度のインターバル・トレーニングがよい。
Gibala & Jones 2012 Physiological and performance adaptations to high-intensity interval training   週に一度強いトレーニングをすると、Vo2maxなどが向上する。

科学的検討の結果は「分極化トレーニング」が良さそうである。日本のランナーの人は知っているのだろうか。ちょっと心配だな。




2019年8月1日木曜日

旧石器時代ダイエット

Marion Nestle 2000 Paleolithic diets: a sceptical review. Nutrition Bulletin, 25, 43-47. からのメモ。この論文はだいぶ前に読んで放置していたので、再読。

旧石器時代ダイエット

旧石器時代ダイエットは摂取カロリー比でタンパク質37%、炭水化物41%、脂質22%であるはずと主張されている。これは現在の推奨されるダイエットとははっきりと異なっている。

エビデンス


ゴリラ、オランウータン、チンパンジーなどの類人猿の食生活は重さで15%までが動物性食物で、大部分は植物性の食物。類人猿は、昆虫、卵、甲殻類を食べる。

初期の人類は果物や木の葉を食べていたはずで、アイソトープの比13C/12Cや18O/16Oで調べることができる。ホモ・サピエンスは13Cからサバンナの果物、葉、もしくは、葉を食べていた動物を食べていたことが分かる。ネアンデルタールは肉も食べていた。ただ、別の仮説では地下のイモを食べていたといい、これは25,000年前まで続いた。

旧石器時代の遺跡では動物の骨が見つかるが、植物よりもよく保存されるために、動物性食物の過大評価が起こってしまう。旧石器時代の平均余命はは25年と推定されているので、旧石器時代のダイエットは理想からはほど遠い。

現在の狩猟採集民族の調査では平均余命は25~30年で、幼児期の死亡率が40~50%に上る。カラハリ砂漠の民族の調査では150種の植物、100種の動物を食べているが、重量比で80%は植物性の食物であった。エビデンスの多くは狩猟採集民族でも植物が豊富な地域に住んでいれば、植物性の食物が主体であることを示している。

北極圏のイヌイットが例外で、陸上の哺乳類と魚が主な食料で80~100%は動物性食物とされる。ビタミンCは植物か生肉にしか含まれていないので、生肉を食べていると推測された。ただ、生育期間は短いが、1000種を越える植物があり、550種は食料としている。冬期は保存した植物を食べているようだ。平均余命などのデータはない。

結論

旧石器時代のダイエットはエビデンスに基づくと大部分は植物性の食物に依存している。慢性的な疾患を避けるには、果物、野菜、穀物の摂取量を増やし、動物性食物を減らした方がよい。そして、我が祖先、狩猟民族のように、活発に身体を動かすことである。

2019年7月23日火曜日

The 2018 Lake Louise Acute Mountain Sickness Score

レイク・ルイーズ・急性高山病評価尺度2018年版


が改訂された。元論文はここ

1993年以降、レイク・ルイーズ・急性高山病評価尺度は、急性高山病の症状評価で世界的に研究で用いられてきた。日本でも日本登山医学会編集「登山の医学ハンドブック」(杏林書院,2009)に紹介されていたほか、筆者も「高山病をどう回避するか」(富山大学人間発達科学部紀要, 2017)に記載した。

長い間、議論になっていたのは、診断基準に睡眠障害を含めるか否かである。睡眠障害は頭痛・消化器症状・疲労・めまいなどの症状と異なったクラスターであった。複数の因子分析的研究の結果、このことが確認された。そこで睡眠障害を「低酸素症」として、これを評価尺度から切り離し、少し詳細化されている。内容を次に示す。

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頭痛
  0 ... なし
  1 … 弱い頭痛
  2 ... かなりの頭痛
  3 ... 頭痛が酷くて何もできない
消化器症状
  0 ... 食欲に問題なし
  1 … 食欲不振、もしくは、吐き気
  2 ... かなりの食欲不振、もしくは、かなりの嘔吐
  3 ... ひどい食欲不振、もしくは、ひどい嘔吐で、何もできない
疲労感/脱力感
  0 ... 疲れていないし、弱ってもいない
  1 … 少し疲れていて、弱っている
  2 ... かなり疲れていて、弱ってもいる
  3 ... ひどく疲れていて、弱り切って、何もできない
めまい感/もうろう感
  0 ... めまい感やもうろう感はない
  1 … 弱いめまい感、もしくは、もうろう感がある
  2 ... かなりのめまい感、もしくは、かなりのもうろう感がある
  3 ... めまい感やもうろう感がひどくて、何もできない
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急性高山病の診断は、高所へ移動してから6時間以内に症状が現れた場合に行い、症状に頭痛が含まれ、かつ、消化器症状、疲労感/脱力感、めまい感/もうろう感 のうち二つの症状が含まれるとする。そして、上記の評価尺度の合計点で、3 ~5点は軽症、6~9点は中等症、10~12点は重症と診断する。

この尺度は研究者向きのもので、臨床家、山岳ガイド、素人が急性高山病を診断するために設計されたものではない。臨床家は症状に頭痛がなくても、この尺度で合計点が3点以上なら急性高山病として取り扱っても構わない。

研究者が急性高山病の全体的な症状を評価するときは次の尺度を用いる。
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急性高山病臨床機能得点
 急性高山病の症状があるとして、それはあなたの活動を全体としてどの程度妨害していますか。
  0 ... ぜんぜん
  1 … 症状はあるが、自分の活動や予定に影響はない
  2 ... 症状のために、登山を止めざるをえず、自力で下山するほかない
  3 ... 低地への緊急搬送が必要
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2019年7月20日土曜日

Wilderness Medical Societyの高山病予防ガイドライン2019年のupdateの一部紹介

Wilderness Medical Society Practice Guidelines for the Prevention and Treatment of Acute Altitude Illness: 2019 Update の一部紹介


高山病をどう回避するか  

この論文は2017年に富山大学人間発達科学部紀要に掲載した。PubMedで論文検索をして、2016年時点の研究までを含めたレビューになっている。その後の進展としてはレイク・ルイーズAMS自己評価尺度の改訂ほか、いくつもの研究論文が現れている。Wilderness Medical Societyの論文のニュアンスも変化している。高所脳浮腫(HACE: high altitude cerebral edema), 高所肺水腫(HAPE: high altitude pulmonary edema)の治療法が詳しいのだが、急性高山病(AMS: acute mountain sickness)の予防や治療を中心に紹介する。

AMSとHACEの予防 

ゆっくりと登る  これが最善だが、ランダム化比較試験はない。二つの研究によると、2,200m~3,000mに6~7日滞在すると、4,300mに登っても急性高山病のリスクが小さいという。なお、2010年のガイドラインは「標高2,500~2,800メーターへの移動に二日以上かけて、その後、就寝時の標高の上昇を一日に500メーター以下とし、標高の上昇1,000メーターに付き、休養日を一日設ける」である。

アセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)AMSのリスクが高い人が高所へ行く場合、強く推奨される。AMSとHACEの予防に有効。アセタゾラミドは高所順応を促進する。運動能力を阻害することはあるが、影響はわずかである。投与量は125mg/12hである。子供では2.5mg/kg/12h。

デキサメタゾン デキサメタゾンは高所順応を促進しないが、AMSとHACEの予防に有効である。投与量は2mg/6hか4mg/12h。子供には使用不可。

イブプロフィン AMSの予防に有効。投与量は600mg/8hである。イブプロフィンの研究が蓄積されたので、はっきり書かれるようになった。なお、これは非ピリン系の鎮痛剤なので、エビデンスはないが、ロキソニンでも効くようだ。

効かない薬物  吸入ブデソニド(喘息治療薬)、ギンコ(イチョウの葉のエキス)のサプリ、アセトアミノフェンは推奨されない。

低圧室と常圧低酸素室 

低圧室や常圧低酸素室が高度順応への準備手段として用いられる。多くの研究があるが結果は一貫しない。低圧室の条件が異なるためであろう。一般的に低圧室での滞在が数時間以内の場合は、高所順応を促進しない。一日に8時間、もしくは、7日を越える場合は、利点がある。もちろん、低圧室の方が常圧低酸素室より高所順応には望ましい。

低酸素テント クライマーがよく用いるが、身体能力を改善するとか、登頂の確率を上昇させるというデータはない。睡眠の質が低下し、長期的には遠征中の身体能力が低下するという欠点がある。

その他

コカの葉を咬んでもエキスを飲んでもAMSの予防に効くという研究はない。また、短期間の酸素吸入に関する研究はなく、一缶2~10Lの酸素吸入が高山病の予防や治療に効果があるとは考えられない。つまり、富士山など利用されている酸素缶には利点がない。

AMSとHACEの治療 

高度を下げるのがベストの治療法である。一般的に300~1,000m下げると症状は消失する。高度を下げられないが、酸素を供給できる場合はSpO2>90%となるまで供給する。持ち運べる高圧室があれば治療は可能であるが、高圧室から出すと症状が再発する。薬物では、アセタゾラミド(250mg/12h)がAMSに用いられる。デキサメタゾンはAMSの治療に効果的で、4mg/6h、子供には0.15mg/kg/6hである。HACEにも用いられる。アセトアミノフェンとイブプロフィンは頭痛に効くが、重篤なAMSとHACEに効くか不明である。


2019年7月16日火曜日

Spring Chicken




やっと読んで内容をまとめた。良い本だったようだ。
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Spring Chicken

訳語は難しいが、サブタイトルのstay young forever(永遠に若く)という意味だろう。Business Insiderに紹介記事があり、Biosphereのことが紹介されていた。それで、Biosphereの解説書かと思ったが、アンチエイジングに関する啓蒙書だった。

1章と2章はエピソードとエイジングの話で、あまり印象に残っていない。3章から成長ホルモンの話題になる。1980年代初め、ホルモンが若さの秘密だと考えられ、販売する会社がいくつも現れた。ただ、研究が進むと、ホルモンは加齢を加速するようだった。女性ホルモンは癌化を促進するし、男性ホルモンは心筋梗塞を引き起こす。1997年には成長ホルモンがアンチエイジングの妙薬として脚光を浴びたが、やはり期待とは逆に加齢を促進することがわかった。

4章は加齢の長期縦断研究の紹介で、運動能力が高く、血圧、LDLコレステロール、BMIが低い人が長生きするが、逆の人は老人性痴呆を発症する危険が大きい。5章は100歳以上長寿者の話。長寿者は素晴らしい完全な遺伝子を持っているのではなく、高齢者特有の病気に対する対抗遺伝子を持っているのではないか。6章は問題の中心と称して血管やコレステロールの話。100歳の長寿者はLDLコレステロールが低いということがわかった。一方、HDLコレステロールは高い方が良いようだ。ただ、スタチンでLDLを下げても死亡率を下げることはできない。さらに13万人以上の疫学研究によると、冠状動脈のトラブルがあった人の半数はLDLコレステロールが低かった。コレステロールは生体に不可欠な栄養素である。LDLの数値ではなく、LDLを運ぶタンパク質分子が大きく、数が少ないほど良いという。これがアポBで90以下が望ましいという。一方、アポA-1はコレステロールを除去するタンパク質なので、これは多い方がよい。

7章はハゲの話から始まり、有害な遺伝子の蓄積が加齢の原因ではないかという方向に議論を転換する。8章は細胞に焦点を当てる。正常な細胞では細胞分裂の数に上限があることが1965年に発見され、ヘイフリック限界と呼ばれる。細胞分裂の数を制御するらしい遺伝子配列がテロメアで、これが老化に関係すると言われる。ただ、4500名の大規模疫学研究によると、飲酒や喫煙の要因をコントロールすると、テロメアの長さと死亡率とは関係が無かった。細胞は癌化するか、老齢化するか、どちらかで、老齢化すると慢性的な炎症を起こす。

9章は超肥満と運動の話。フィルはBMIが45で腹回りは身長に近い。糖尿病も患っていた。内臓脂肪はレプチンを少ししか分泌しないので、食欲は抑えられない。内臓や血管と密接に融合しているので、手術で除去するのは難しい。フィルはそういうタイプだった。そこで、ジムに行くほかなかった。また、フライした食べ物やファスト・フード、甘いソーダなどグリルしたチキンや魚、無塩のアーモンドなどに代えた。4年間でフィルは200パウンド減らし、運動を続け、260パウンド以下にしつつある。

10章はシニア大会の参加者の取材から。ブースはミシガン州立大学の生理学の教授で、競技と加齢の両方に関心を持っている。大学では棒高跳びの選手だった。彼はランニングや自転車を続けていたが、シニア大会の棒高跳びの記録を調べると、自分でもできそうに感じた。引退後の楽しみとして、60歳の時に棒高跳びに復帰した。継続的にトレーニングを続けると、癌など、加齢に伴う病気にかかりにくくなる。最大酸素摂取量VO2Maxの低下も小さくなる。トレーニングは慢性的な炎症を下げて、オートファジーがさかんになり、傷んだ細胞を除去する。端的にはトレーニングは若い遺伝子をオンにし、老いる遺伝子をオフにする。ミトコンドリアの機能不全が老化の原因かもしれない。

11章はカロリー制限の話。ルイジ・コーナロ(Alvise Cornaro, 1484-1566, ベニスの裕福な商人)は30代後半に糖尿病にかかり、医者からライフスタイルを変えるように言われたが、従わなかった。症状が進み、どうにもならなくなったので、食生活を、パンを少しとわずかな肉、魚などと薄いスープを摂るだけにした。彼は健康を取り戻し、「おだやかな生活について」(Discourses on the Sober Life)という本を1558年に出した。この本はダイエットの本としてベストセラーになり、あらゆる言語に翻訳された。この本がカロリー制限すると長生きできるというアイデアの原点で、マッケイは1917年にラットでカロリー制限の実験を行い、長生きすることを実証した。カロリー制限下では代謝系が変化するのかもしれない。1990年代、WalfordらのBiosphere 2という閉じた系で暮らす実験を行ったが、食物生産が足りず、必然的にカロリー制限の人体実験となった。飢え死にしない程度の厳しい結果となり、スタッフはやせ細った。Walfordも破壊的影響を被り、Biosphereから出た時は老けてしまった。その後、酷いうつ病になり、パーキンソン病に類似した症状が現れた。神経系も壊れたようだ。彼は2004年に筋萎縮性側索硬化症で死去した。一方、ウィスコンシ大学ではサルのカロリー制限の実験を1980年代から行い、2009年に発表した。結果は衝撃的で、30%ほどカロリー制限したサルが30%ほど長生きし、外見も脳の組織もはっきりと若かった。ところが、アメリカ国立老化研究所のカロリー制限の研究では逆に太ったサルが長生きし、カロリー制限されたサルは平均以下しか生きられなかった。実は、二つの実験ではエサが大きく異なっていた。ウィスコンシン大学のサルのエサは砂糖が30%含まれた精選された穀物だったが、国立老化研究所のサルのエサは穀物や魚などのホールフーズで、砂糖は5%程度しか含まれていなかった。つまり、ジャンクフードなら厳しくカロリー制限しないと長生きできないが、もっと長生きしたければ地中海食が良いということに過ぎない。

12章は冷水浴の話から。人間の身体は冷たい水に晒されると、大きなストレスを受けるが、褐色脂肪組織を活性化させる働きもある。ただ、酸化反応はフリーラジカルを生む。1960年代に老化のフリーラジカル説が完成した。そこで、抗酸化サプリが大量に消費される時代になった。ところが、23万人にも及ぶ大規模疫学研究の結果、ビタミンA, E, ベータ・カロチンの摂取は死亡リスクを高めることが明らかになった。つまり、老化のフリーラジカル説は単純でエレガントだが、間違っていた。抗酸化サプリはトレーニング効果を台無しにするので、無用ではなく、有害である。つまり抗酸化サプリは活性酸素に対する抵抗力をそいでしまうので、活性酸素のダメージを受けやすくなるようだ。

13章は短期間の断食の話。1950年代にスペインの老人ホームで、半数の入居者に食事を通常の分量を与えたが、半数の入居者には量を半分にしたり、2倍近く与えた。その結果、通常の分量を与えた群の死亡者は13名、一方、与える量を変化させた群の死亡者は6名だった。スペイン語で発表された論文なので、長く注目されなかったが、短期間の断食は細胞レベルで代謝を変えるようだ。カロリー制限を続けるのは容易でないが、短期間の断食ならかなりの人が実行可能である。スクリプス研究所はマウスに8時間のみエサをやるという間歇的な断食条件で飼育したところ、どんなエサをやっても体重は増加しなかった。これは人間では朝食を抜く条件に該当する(最近、朝食を抜くと痩せるという研究が出た)。ヴァルター・ロンゴは癌のマウスを飢えさせた後、抗癌剤を投与する実験を提案した。普通ににエサをやったマウスはすべて死んだが、飢えさせた後に抗癌剤を投与されたマウスは一匹しか死ななかった。人間で行われた実験では二日から五日断食した癌患者に化学療法を行ったパイロット実験がある。何人かの患者では化学療法がよく効いたという。

14章はアルツハイマー病の話。40歳くらいから認知能力が衰えるという。この原因としてベータ・アミロイドが蓄積するという仮説、あるいは、タウ・タンパクの蓄積という仮説がある。運動するとアルツハイマー病が防止できるので、何らかの代謝異常だと思われる。また、手術で二匹の動物の血液が交換できるように接続すると、若い動物の血液が歳取った動物を若返らせる。血液中のGDF11という物質が加齢に関係するかもしれない。15章はエピローグ。

-------ApoB/Aのデータは、University of Iowa Health Careによると、

Apolipoprotein B/A           Male     Female
1/2 Average Risk               0.4      0.3
Twice Average Risk           1.0       0.9
Three Times Average Risk 1.6       1.5

カロリー制限でサルが長生きした話がエサの影響とは知らなかった。朝食を抜くと痩せるというのは、現在、自分の身体で試していて、無理がなく、非常に上手くいくようだ。

2019年3月16日土曜日

The cross country route between Iceberg Lake and Minaret Lake

Iceberg LakeとMinaret Lakeの間

南行きJMTの場合、Shadow Lake手前にEdiza Lakeへの分岐がある。ここを西に行くと、Ediza Lake, Iceberg Lakeに到達する。ここまではトレイルがある。天候が悪かったり、クロスカントリーに自信がない場合は、どちらかの湖でテントを張り、引き返す方がよい。非常にきれいな場所で、それだけの価値がある。

If you are a southbound hiker of JMT, you will find a junction of Ediza Lake before reaching Shadow Lake. If you turn west here, you will reach Ediza Lake and Iceberg Lake. This is a well-maintained trail. When the weather is bad or you have no confidence in the cross country technique. You may pitch your tent near either lake. Both lakes are very beautiful. It is worth to visit.

Iceberg Lake から南はnomaintaned trailとなる。斜面の岩を歩き、Cecile Lakeのoutletに到達する。湖の東側と西側を歩くが、西側しか歩いていない。西側の方が岩が少なく、歩きやすいと思う。

The south side of Iceberg Lake trail is not maintained. You must walk on the boulders and reach the outlet of Cecile Lake. People walk both sides. I had walked the west side. I think the west side is easy to walk because the boulders are rare. 

Cecile Lakeからの下りはoutlet沿いではなく、少し南へ行ってから下ると傾斜が緩い。Minaret Creekに合流すると、トレイルがある。このトレイルは下って行くと、Johnston LakeでJMTと合流する。途中にメドウがいくつかあり、テント泊が可能である。

You may go southward a little from the outlet, then walk down because the slope is not steep. When you reach Minaret Creek, you will find the pack trail, which connects JMT at Johnston Lake. On the way to JMT junction, you can pitch your tent at the meadows

ルートをきちんと選べば、手を使わないで歩けます。それほど難しいルートではありません。ただし、悪天(雷)時、積雪時は危険です。テントサイトは南端に一つあります。Cecile Lakeの南端には大きな岩の断崖があり、西側から東側には歩けません。

It is an easy cross country route. If you find the right way, you don't need to use your hands. But when the weather is bad or there is a large snowpack, avoid this route. There is a small tent site at the south end of the Cecile Lake. There are several huge rocks at the south end of the lake. Then you cannot walk from the west to the east side.





Ediza Lake 

Iceberg Lake


no maintained trail

The cross country route

The outlet of Cecile Lake



The view from the south of Cecile Lake

The south side of the outlet of Cecile Lake


Minaret Lake

the pack trail

The meadow of Minaret Creek







2019年2月21日木曜日

The river crossing along JMT

Ireland Creek in Lyell Canyon

Happy IsleからTuolumneまでは、Sunrise Creekがある程度で、通常は簡単に渡渉できる。ちょっと嫌なのは、Lyell CanyonのIreland Creekを渡る時だろう。幅は2-3メーターだが、流れが強い。写真のようにlog bridgeがある時もあるが、ないと思いきって水に入るしかない。

There is no difficult river crossing from Happy Isle to Tuolumne. Sunrise Creek is usually shallow and easy to cross. Ireland Creek in Lyell Canyon is a little difficult. The width is 2- 3 meter, but the stream is fast. There may be a kind of log bridge. When there is no log bridge, you must jump into the water. It is not comfortable.


Ireland Creek in Lyell Canyon


2011.07.31

Lyell Head Water

ライエル・フォーク最上流にはテントサイトがあり、渡渉箇所が続く。水量が少なければ、飛び石づたいに渡れるが、水量が多いと、靴を濡らしてしまう。写真の2009年は水量が少ない時、2011年は雪が残り、水量が多かった。渡渉の必要を感じなかったので、手前にテントを張って、翌朝を待った。

There is a tent site at the headwater of Lyell Fork and the river crossing adjacent to the site. When the water level is low, the river crossing is easily done by using the boulders. But when the water level is high, it is difficult to cross without getting wet. The 2009 photo indicates the low level of water and the 2011 photo indicates the high level of water since lots of snow remained. I pitched the tent near the crossing point.

アメリカ人ハイカーが果敢に川幅の広い所を渡渉したが、お腹か胸にまで水が来た。この川の川幅の広い部分は池のように深い。それで渡ってはいけない。翌朝は15センチほど水位が下がった。足を濡らすことなく、飛び石づたいに渡れた。ここでカメラをダメにしたという別のハイカーにも会った。

An American hiker challenged the crossing at the wide place of the river. But the water came at his stomach or chest. The wide part of the fork is deep as a lake. Therefore I do not recommend to cross the wide place. The water level lessened around 15 cm the next morning. Then I could cross the fork using boulders without wetting my boots. I met another hiker who broke his camera here.

地形図と2017年の写真をみれば渡渉を避けるルートは一目瞭然である。川の周りは歩けないほどの急斜面ではない。水位の高い場合は、写真の黄色の線のように歩くこと。そうすれば、足を濡らさずに済む。

The topological map and the 2018 photo suggested the safest route for avoiding river crossing clearly. The bank of the river is not steep. I recommend walking following the yellow line in 2018 photo. Then you can cross the river without wet boots.




2009.08.01

2011.07.31

2017.08.17

Rush Creek

Rush Creekを渡ったのは何時も8月で、footbridgeが渡れないほど増水したのを見たことがない。2018年も確認を怠った。この地図の右にはMarie Lakesというきれいな湖があるが、行きそびれたままである。なお、Seldon Pass近くの湖はMarie Lakeと単数形である。

I always crossed Rush Creek in August, never seen the water too high to cross. I did not check the cross country route. There are beautiful lakes named Marie Lakes on the left side of this map. I did not hike yet. BTW, the beautiful lake near Seldon Pass is Marie Lake.

北からアプローチすると、HalfMileのマップでWA0927Bという湖が目印になる。この手前からクロスカントリーして高度を少し上げるとRush Creekの上流部に突き当たる。浅い所を選んで渡渉すると、Rush Creek Trailに合流する。下るとRush Creekのfootbridgeがある。このあたりで何度か休憩してランチを食べた記憶がある。

If you approach this area from the north,  you will find a small lake WA0297B by HalfMile's map. The cross country begins near here and you will go a little higher place. Then you will find the upper stream of Rush Creek. Cross the shallow place, then there is Rush Creek Trail. If you hike along this trail, there is a footbridge of Rush Creek. I had lunch here several times. 





WA0927B

The footbridge of Rush Creek


Silver Pass Creek/North Fork Mono Creek

Silver Passの南、Silver Pass Creekの渡渉は雪融け水の多い時は困難となる。2017年の6-7月は水量が多く、渡渉が困難であった。そこで、VVRに集結したPCTハイカーはSilver Pass Creekを完全に迂回し、Silver Passでなく、Goodale Passを越えて北上した。このコースは後述する。

The river crossing of Silver Pass Creek which located in the south of Silver Pass is difficult when the water level is high. It was extremely difficult in June and July of 2017.  The majority of PCT hikers gathered at VVR were headed to Goodale Pass avoiding Silver Pass Creek and Silver Pass. I will describe this route later.

Silver Pass CreekとNorth Fork Mono Creekの渡渉箇所で大きな場所は地図の3箇所である。この中では上流部の1が一番危険である。夏の水量の乏しい時の写真を2枚示す。トレイルは黄色の線のように滝の下を横切っている。2枚目はトレイルのすぐ上の滝の写真である。

There are three crossings along Silver Pass Creek and North Fork Mono Creek as indicated on the map. The upper stream No.1 is the most dangerous. I will show you two photos when the water level was low. 

この場所は増水時に渡渉が非常に危険である。迂回するにしても急勾配の崖をよじ登る必要があり、安全とは言えない。したがって、Silver Pass Creekの水量が多く危険という情報を得たら、コース変更してGoodale Passを目指すべきである。

The crossing point becomes very dangerous when the water level is high. If you want to avoid the crossing here, you must climb the steep terrain.  It is not safe. Therefore, when you get the information that the water level of Silver Pass Creek is high, you should head to Goodale Pass, not to Silver Pass. 




2017.08.12

2011.08.05

2018.08.08, dry year

Goodale Pass ( bypass the river crossing of Mono Creek )

Silver Passの代わりにGoodale Passを目指せば、Mono Creekの渡渉はない。2012年の夏はドライで、レイク・エディソンが干上がった。逆のケースである。そこで、Goodale Passを目指した。

When you head to Goodale Pass instead of Silver Pass, you can avoid the crossing of Mono Creek. Contrarily, the summer of 2012 was completely dry and Lake Edison was dried up. Then I headed to Goodale Pass.

ルートは明瞭で、分岐には標識があり、しばらく登るとLake of Lone Indianという湖がある。その先はPassを越えるまで、ドライで水はない。Passの南のUpper Graveyard Meadowからは小川沿いに緩やかに下って行く。小川はあるが、渡渉は簡単である。VVRが近づくと、やはり標識があり、それに従うだけである。

The trail is clear. there was a sign at the junction. After ascending for a while, there is a lake named Lone Indian. There is no water beyond the pass. The trail descends gently from the Pass along a brook. The crossing of it is very easy. There are signs of VVR near Lake Edison. You can easily get to VVR.





The junction of Goodale Pass

Lake of Lone Indian

The trail toward the Pass

The trail toward the Pass

Goodale Pass

Upper Graveyard Meadow

Lake Edison 2012.08.07

Hilgard Branch

JMTはBear Creek沿いに上流に向かうが、Lake Italy への分岐、Hilgard Branchに渡渉箇所がある。深くはないが、水量が多い場合は飛び石が水面下に隠れる。この近くにテントサイトもある。

JMT goes along the upstream of Bear Creek. There is a crossing point at Hilgard Branch, that is the junction of Lake Italy. It is usually shallow and can cross using boulders. But when the water level is high, the boulders lie under the water. There are several tent sites here.



2010.08.10

Bear Creek

Bear Creekの通常の渡渉点は馬向きで、人間には向いていない。非常に水量の少ない時(2012年8月)は飛び石を利用して渡れたが、一般的に深く、水量が多いので、危険である。

The usual crossing point of Bear Creek is for a horse, not for human. When the water level is very low ( the summer of 2012 ), I crossed here using boulders. But, it is usually deep, then it is dangerous.

回避ルートは二つある。一つはEast Fork Bear Creekを少し遡って、渡渉してJMTに復帰するルートである。ここは確認していないが、クロスカントリーは容易な場所である。

There are two routes avoiding the dangerous crossing. One way is to hike along the East Fork Bear Creek, then cross the creek, and do a little cross country to JMT. I did not check this crossing, but cross country is easy.

もう一つは、通常渡渉点の300meterほど下流である。ここは川が二つに分かれていて、水深も浅い。地形図を検討して、準備してから臨んだ。2017年にはたまたまlog bridgeがいくつかあったので、靴を濡らさずに渡れた。なお、このlog bridgeは2018年に失われた。

 Another way is to cross the 300 meters downstream of the usual crossing point.  The creek is divided into two streams and shallow. I prepared the topological map in 2017 summer beforehand. There were accidentally several log bridges at the small island. Therefore, I could cross without wetting my boots.  BTW, these log bridges were washed out in 2018. 








Bear Creek, the usual crossing point

Evolution Creek

Evolution Creekの渡渉は有名で、常に相当の水量がある。何時も通常の渡渉箇所を渡っていたが、2018年8月1日に確認のためもう一つのルートを歩いた。北向きJMTだったが、方向を逆転して説明する。

The fording of Evolution Creek is famous. Its water level is constantly high. I had always crossed the usual crossing point. But I had to check the alternative route. Therefore I walked here as NOBO JMT. I describe it reversely.

通常渡渉箇所は最初の写真の通り馬の道である。この場所の近くに迂回路の標識がある。2番目の写真は上流側から見たもう一つの渡渉箇所である。水流が弱く、浅く、砂地で渡りやすい。3番目の写真はもう一つの支流である。そしてJMTに合流する。ここにも代替ルートの標識がある。

The usual crossing point is a horse trail as indicated the first photo. There is a sign of an alternative route. The second photo is the alternative crossing point taken from the upper creek. The water level is shallow, flows slowly, and its stream bed is sand. The fourth photo is another brook. There is another sign of alternative route at the junction of JMT.

両方歩いてみて、こちらの方を何故JMTにしないのかと不思議に思った。そして、JMTは馬の道の転用で、馬の通行に支障がない限り、橋を架ける理由もなく、ルート変更も必要ないと納得した。この代替ルートでの渡渉を強く推薦する。

I walked both routes and doubted why this alternative route was not JMT.  I finally realized JMT is a horse trail. If horses can walk through, no need for a bridge and alternative route. I strongly recommend this alternative route for humans.







South Fork Kings River

Mather Passの南、South Forkは常に水量が多く、渡渉しにくい。2017年は大雪で、7月に熱波が来て、大量の雪融け水が流れ下った。アメリカのFacebookグループでも回避ルートが議論され、私も日本のグループにuploadした。私は何故か、渡米した途端、このグループからブロックされた。また、Sonora Passのトレイルエンジェルからも拒否された。そこで、急遽、Sonora Passまでのハイクを中止した。

The water level of South Fork which is located in the south of Mather Pass is always high and difficult to cross. It was a high snow year in 2017, and heat wave came in July. The melted water swelled the river. There were lots of discussions concerning the river crossing. I frequently uploaded avoidance routes to the Japanese Facebook group. But, I was suddenly blocked by this group and refused to stop at the trail angel of Sonora Pass. Therefore, I changed my hiking plan to stop at Yosemite Valley.

この時、重大事件が起こっていた。私がホースシューメドウからハイクを始めたのは7月20日であった。ハイク途中で「日本人が死んだ」と聞いたが、詳細は不明だった。調べて見ると、まだ、モリタ・リカさんの記事 がある。

At this time, the tragedy had happened. I started to hike from Horseshoe Meadow on July 20. I heard about the death of the Japanese from an American hiker. But the detail was unknown. I searched for her accident on the web site, I found the article.

記事によると、彼女はRae Lake 付近で7月8日に目撃されたのが最後で、22日(土)に行方不明者の届けが出された。PCTハイカーが2017年7月23日(日)にサウスフォークで水没した状態で彼女の遺体を発見した。国立公園関係者がこれを確認し、およそ10000フィート付近の高度とある。ここは通常渡渉箇所に近い場所である。記事にも南向きハイカーはサウスフォークを2回渡渉するよりも、川の東に留まり、古いトレイルを辿ること、北向きハイカーはベンチレイクのスイッチバックを下りて川が渡れそうになければ東側を2.5mile歩くこととある。ただし、記事のように古いトレイルはない。クロスカントリーである。

According to this report, "she was last seen on about July 8 in the vicinity of Rae Lakes. She was reported as missing on Saturday, July 22. On Sunday, July 23, another group of PCT hikers discovered a body underwater in the South Fork of the Kings River at what the National Park Service described as “an alternative water crossing at about 10,000 feet elevation.” That afternoon, park personnel confirmed the location of the body. " The report described southbound hikers should remain at the east side of the river, and hike along the used trail, and northbound hikers should hike along the east side when the crossing was difficult. But no used trail exists as described.

このことを知ったのはかなり後である。私がRae Lakeを歩いたのは7月27日なので、彼女のおよそ20日後に歩いたことになる。

I noticed this tragedy afterward. It was July 27, when I hiked along Rae Lake. I was around 20 days behind her.

私の場合は渡渉の情報を得ていたし、それがない場所は事前に地形図を検討していた。South ForkのクロスカントリーはNOBO(北向き)として行ったが、方向を逆転して北から南へと記述する。写真は2017.07.28に撮影した。

In my case, I had lots of information on alternative routes. I had checked the topological map and made original routes beforehand. The photos were taken on July 28 of 2017.

Mather Passを下り、一時間ほどでSouth Fork上流(地図の上端)の渡渉箇所に行き着く。もし、ここが簡単に渡れないようであればSouth Fork下流(地図の下端)の渡渉はかなり難しくなる。そのような場合は、ここでクロスカントリーを決断する必要がある。2時間ほどかかるので、GPSの持参が望ましい。

When you hike southbound along JMT, you will reach the upper stream of South Fork (at the top of the map) in 1 hour from Mather Pass. If you find it is difficult to cross, you will be hard to cross the lower stream ( at bottom of the map ). Then you must decide to do the cross country hike. It takes around 2 hours. I recommend carrying a GPS device.

最初の写真は、South Fork上流の渡渉箇所を下から撮したものである。写真左上の林が切れた場所が渡渉箇所である。クロスカントリーは、地形的に難しい場所はなく、容易に歩いて行ける。 二番目の写真はHalfMileのマップのWACS0813-5の近くである。 三番目の写真はVennacher Needleを0813地点近くから撮したものである。四番目の写真はTabooso Pass Trailの分岐近くである。この辺りからはトレースがある。最後の写真が下流側の渡渉箇所である。とても渡れる状態ではなかった。

The first photo is the crossing point of the upper stream of South Fork. It was taken from the south. It is easy to do a cross country. There is no difficult place to walk. The second photo is taken near WACS0813-5 on Halfmile's map. The third photo is Vennacher Needle, taken near 0813. The fourth photo is near the junction of Tabooso Pass Trail. There is a trace here. The last photo is the usual crossing point. It was impassable.

途中、倒木によるlog bridgeが多数あった。モリタ・リカさんはこの種のlog bridgeを利用して渡渉しようとしたが、途中で転落したと推測できる。上流側に落ちると水中の枝で下流に流れず、閉じ込められることになる。

There were lots of log bridges. I think Rika tried to cross the river using a log bridge and failed. When she failed in the upper stream side, she could not get out of the water.



The opposite bank near WA0814, The upper stream of South Fork. JMT is on this hill. If the water level is high( if you hike JMT Southbound), do not cross, hike down here.
The opposite bank near WACS0813-5. ( maybe near here)


A view from the alternative route of South Fork. It may be Vennacher Needle. Then this location may be at the opposite bank near 0813


The opposite bank near 0812. There was a trace here.

The usual crossing point, 2017.7.28


The creek near Arrowhead Lake

2017年は大増水の年であった。地図の赤い線がクロスカントリー・ルートである。ブルーの線は60Lakes Basinへのクロスカントリーで、ここは難度が高いので、熟練者のみのコースである。次の二枚は、2017年と2018年である。水位が30-40cm違うことが分かる。湖岸のクロスカントリーは容易で、私が渡渉した場所は三番目の写真である。浅く、水流が弱く、安全であった。もっと上流にいくと(写真の奥)、川の幅が狭いので、靴を濡らさずに渡れたかもしれない。最後の写真はトレイルに復帰した場所である。

It was a high-snow year in 2017. The red line on the topological map indicates the cross-country route, and the blue line is the cross-country route to 60 Lakes Basin, which is only for the experienced hikers. The second and third photo was taken at the same place in 2017 and 2018. The difference in water level was 30-40 cm. The cross-country along the lake is easy. The third photo was my crossing point. The flow of water was slow, shallow, and safe. The upper stream may be a good place because it is very narrow and could be crossed without wetting boots. The last photo was the trail I returned.


Follow the red line, the blue line is for experienced hiker for 60 lakes basin

2017.07.27

2018.07.28

I crossed here

I returned to the trail

Tyndall Creek

Tyndall Creekも増水時は渡渉が困難になる。2017年は大増水で、地形図をあらかじめ検討し、回避ルートを作成して臨んだ。途中、会った日系人ハイカーが「タンドル」は危ないという。意味不明でしばらく話してやっとTyndall の事だと気づく。彼女はHillaryと名乗ったが、聞き覚えがあった。別れた後で、2010年にVVRで会ったHillaryと気づいた。

When the water level is high, it becomes difficult to cross Tyndall Creek. It was a high snow year in 2017. I checked the topological map and made the avoidance route beforehand. I met American hikers on the trail. One of the hikers was a nikkeijin (Japanese descent ). She said "Tandol is very dangerous. Don' ford". I realized Tandol means Tyndall after a few minutes. Her name as Hillary, which name I had heard before. I noticed she was Hillary I met at VVR in 2010 after having parted.

南向きJMTであれば、Tyndall の最上流を見た時に渡渉を決意しないといけない。北向きJMTであれば、通常渡渉点を難しいと感じれば、躊躇なく、川の東側に留まるべきである。

If you are a southbound hiker, you should decide to cross when you see the most upper stream. If you are a northbound hiker, you can decide when you see the water level at the usual crossing point. In case of difficulty to cross, you should stay along the east side of the river. 

最初の番目の写真は増水時の最上流部である。黄色の線のようにクロスカントリーするとよい。二番目の写真は私が渡渉した場所である。これは失敗で、もっと上流に行くべきであった。三番目の写真は2018年の水量の少ない年である。黄色の線が渡渉回避ルートである。クロスカントリーは簡単なので、無理にトレイルに留まってはいけない。

The first photo was the most upper stream in 2017 ( The water level was high ). You should do cross country as the red line on the topological map. The second photo was the place I crossed in 2017. It was a failure. I should cross more upper place. The third photo was taken in 2018 ( The water level was low ). The yellow line is the recommended cross-country route. The cross-country is easy. You should not stay on the trail.



2017.07.24 

2017.07.27 I crossed here

2018.07.25. The yellow line is the recommended route. 

Wright Creek

Wright Creekは幅が狭く、2017年でも渡渉が容易だったが、靴を濡らしたくなければ、赤の線のようにクロスカントリーすると良い。

Wright Creek is narrow. The crossing was easy in 2017. If you want to hike without wetting boots, the recommended cross country route is indicated as the red rine on the topological map.